ブリーチ毛と髪質改善の関係性〜美容師が本音で語ります
ブリーチで明るく染めた髪は、おしゃれな印象を与えてくれる反面、髪の毛がパサついたり、ゴワついたりと悩みも増えてしまいますよね。
「ブリーチした髪でも髪質改善できるの?」「どれくらい効果があるの?」といった質問を、お客様からよくいただきます。
結論からお伝えすると、ブリーチ毛でも髪質改善は可能です。ただし、通常の髪と比べると効果や持続期間に違いがあります。
私は美容師として15年間、数多くのブリーチ毛に悩むお客様の髪質改善を担当してきました。年間1,000人以上のくせ毛・うねり毛に悩むお客様の髪質改善を成功させてきた経験から、ブリーチ毛の髪質改善について詳しくお伝えします。
そもそもブリーチ毛ってどんな状態?ダメージの本質
まずは、ブリーチした髪の状態を正しく理解することが大切です。
ブリーチとは、髪の内部にあるメラニン色素を分解して髪を明るくする薬剤処理のことです。この過程で髪にはかなりの負担がかかります。
ブリーチした髪は、主に以下のような状態になっています。
- キューティクル(髪の表面の鱗状の層)が剥がれている
- 髪内部のタンパク質が流出し、空洞化している
- 髪の水分保持力が低下している
- 髪の弾力性が失われている
健康な髪の毛は、キューティクルがきれいに閉じて内部の水分や栄養を保持していますが、ブリーチするとこの守りの層が破壊されてしまうのです。
だからこそ、ブリーチ毛は通常のヘアケアでは物足りなく感じることが多いんですね。
ですが、諦めないでください。適切な髪質改善を行えば、ブリーチ毛でも見違えるほど美しくなることができます。
ブリーチ毛に対する髪質改善の効果と限界
ブリーチ毛に髪質改善を行うと、どのような効果が期待できるのでしょうか?
髪質改善とは、単なるトリートメントとは異なり、髪の内部構造にアプローチする施術です。特に「酸熱トリートメント」と呼ばれる方法が効果的です。
ブリーチ毛への髪質改善で期待できる効果
- 髪の手触りが柔らかくなる
- パサつきが軽減される
- 髪に自然な艶が出る
- まとまりやすくなる
- 広がりが抑えられる
私のサロンに来られるお客様からは、「ブリーチしているのに、こんなにツヤが出るなんて!」と驚きの声をよくいただきます。
ブリーチ毛の髪質改善における限界
しかし、正直にお伝えしなければならない限界もあります。
- 完全に健康な髪の状態には戻らない
- 効果の持続期間が通常より短い(約1〜2ヶ月)
- ブリーチの回数や髪のダメージ度合いによって効果に差がある
- 継続的なケアが必須
髪質改善は「魔法」ではなく「医療」のようなものです。一度壊れた髪の毛を100%元に戻すことはできませんが、状態を大幅に改善することは可能なのです。
ブリーチ毛の髪質改善は、「どれだけ元に戻せるか」ではなく、「現状からどれだけ良くできるか」という視点で考えることが大切です。
ブリーチ毛に効果的な髪質改善メニューとは
ブリーチ毛に対して、どのような髪質改善メニューが効果的なのでしょうか?
実は、ブリーチ毛には通常の髪質改善メニューとは少し異なるアプローチが必要です。
酸性ベースの髪質改善トリートメント
髪の毛は弱酸性が健康的な状態です。ブリーチはアルカリ性の薬剤を使用するため、髪のpHバランスが崩れてしまいます。
酸性ベースの髪質改善トリートメントは、このpHバランスを整えながら髪内部の補修を行うため、ブリーチ毛に特に効果的です。
弱酸性酸熱トリートメント
酸熱トリートメントとは、酸性の薬剤を髪に塗布し、熱を加えることで髪内部の補修を行う施術です。
特に弱酸性の酸熱トリートメントは、ブリーチによって開いたキューティクルを引き締め、内部補修成分を定着させる効果があります。
施術の流れは以下のようになります:
- 髪の毛を濡らし、専用シャンプーで洗浄
- 酸性の薬剤を塗布
- 15〜20分ほど放置
- 薬剤を洗い流さずに乾かす
- 180〜190℃のアイロンで熱を加える
- 処理剤で中和し、洗い流す
この工程により、髪内部のタンパク質結合を再構築し、強度と艶を取り戻すことができます。
ケラチン補給型トリートメント
ブリーチによって失われたケラチンタンパク質を補給するトリートメントも効果的です。
特にアミノ酸系の成分が豊富に含まれたトリートメントは、髪の内部構造を補強し、弾力性を取り戻すのに役立ちます。
どうですか?ブリーチ毛でも諦めることはないと思いませんか?
ブリーチ毛の髪質改善の持続期間と頻度
「髪質改善の効果はどれくらい続くの?」これもよく聞かれる質問です。
残念ながら、ブリーチ毛の場合は通常の髪よりも効果の持続期間が短くなる傾向があります。
ブリーチ毛の髪質改善の持続期間
一般的に、ブリーチ毛への髪質改善トリートメントの効果は約1〜2ヶ月程度持続します。これに対して、通常の髪質改善は2〜3ヶ月持続することが多いです。
ブリーチによるダメージが大きいほど、効果の持続期間は短くなります。例えば、3回以上ブリーチしている髪では、1ヶ月程度で効果が薄れてくることもあります。
理想的な施術頻度
ブリーチ毛の場合、理想的な髪質改善の頻度は以下のようになります:
- 軽度〜中度のダメージ:2〜3ヶ月に1回
- 中度〜重度のダメージ:1〜2ヶ月に1回
- 極度のダメージ:初回は2週間〜1ヶ月の間隔で2〜3回、その後は1〜2ヶ月に1回
極度のダメージがある場合は、初めに集中的に施術を行い、ある程度状態が改善してから間隔を空けていくのが効果的です。
「え?そんなに頻繁に美容室に通わなきゃいけないの?」と思われるかもしれませんね。
確かに時間もお金もかかりますが、大切な髪を守るための投資だと考えてみてください。それに、適切なホームケアを併用することで、美容室での施術間隔を少し延ばすことも可能です。
ブリーチ毛の髪質改善と縮毛矯正の違い
「髪質改善と縮毛矯正、どっちがブリーチ毛に良いの?」という質問もよくいただきます。
この2つは目的も施術方法も全く異なります。それぞれの特徴を理解して、自分の髪に合った選択をしましょう。
髪質改善トリートメントの特徴
- 目的:髪の内部補修、艶・手触りの改善
- 効果:パサつき軽減、艶出し、まとまり向上
- 持続期間:1〜3ヶ月
- ダメージ度:比較的低い
- クセへの効果:軽度のうねりには効果あり、強いクセには限定的
縮毛矯正の特徴
- 目的:髪のクセを伸ばす、ストレートにする
- 効果:髪を真っ直ぐにする、広がりを抑える
- 持続期間:3〜6ヶ月(新しく生えてくる髪を除く)
- ダメージ度:通常は高い(ただし酸性縮毛矯正は比較的低い)
- クセへの効果:強いクセにも効果的
ブリーチ毛に縮毛矯正を行う場合は、通常の縮毛矯正ではなく「酸性縮毛矯正」や「弱酸性縮毛矯正」を選ぶことをおすすめします。
ブリーチ毛に対しては、まず髪質改善トリートメントで髪の内部環境を整えてから、必要に応じて酸性縮毛矯正を検討するのが理想的です。
特に、ブリーチを3回以上している髪に通常の縮毛矯正を行うと、髪が切れたり、極端な場合はちぎれたりする危険性もあります。必ず経験豊富な美容師に相談してください。
ブリーチ毛の髪質改善後のホームケア方法
髪質改善の効果を長持ちさせるためには、適切なホームケアが欠かせません。特にブリーチ毛は日々のケアが重要です。
シャンプー選びのポイント
ブリーチ毛には、以下のような特徴を持つシャンプーがおすすめです:
- アミノ酸系シャンプー(低刺激で優しい洗浄力)
- 弱酸性シャンプー(髪の自然なpHに近い)
- 保湿成分配合(セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなど)
- ノンシリコンまたは適度なシリコン配合
逆に避けたいのは、高級アルコール系の洗浄成分を多く含む安価なシャンプーです。これらは洗浄力が強すぎて、ブリーチ毛の貴重な水分や油分まで奪ってしまいます。
効果的なトリートメント方法
ホームケアでのトリートメントは、以下のポイントを意識すると効果的です:
- タオルドライで水分をしっかり拭き取ってから塗布する
- 毛先から中間部、根元の順に塗る
- 指の腹でやさしくなじませる
- パッケージの推奨時間より少し長めに放置する
- ぬるま湯でしっかりすすぐ
週に1〜2回は集中ケア用のヘアマスクを使用すると、さらに効果的です。
熱ダメージからの保護
ブリーチ毛は熱に弱いため、以下の点に注意しましょう:
- ドライヤーは必ず熱保護スプレーを使用してから
- ドライヤーは髪から10〜15cm離して使用
- コテやアイロンの使用頻度を減らす
- コテやアイロンを使う場合は160℃以下の温度設定に
「でも、スタイリングのためにはコテやアイロンが必要...」という方も多いと思います。その場合は、必ず熱保護スプレーを使い、なるべく低温で短時間の使用を心がけてください。
紫外線対策の重要性
ブリーチ毛は紫外線の影響を受けやすく、日焼けによって色が変化したり、さらに乾燥が進んだりします。
外出時は帽子をかぶるか、UVカット効果のあるヘアミストやスプレーを使用しましょう。
ブリーチ毛の髪質改善に関するよくある質問
最後に、お客様からよくいただく質問にお答えします。
ブリーチ毛に髪質改善をすると色落ちしますか?
髪質改善トリートメントは、カラーの色持ちに大きな影響を与えることはありません。むしろ、キューティクルを引き締める効果があるため、適切に行えばカラーの色持ちが良くなることもあります。
ただし、酸熱トリートメントの直後(1〜2日以内)にカラーリングを行うと、カラーの発色や定着に影響が出ることがあります。カラーリングは髪質改善の3日以上前、または1週間後以降に行うのが理想的です。
ブリーチ毛の髪質改善は自宅でもできますか?
市販の髪質改善キットや高濃度トリートメントである程度の効果は得られますが、サロンでの施術と同等の効果は期待できません。
サロンでは、プロの技術と高濃度の薬剤、専用機器を使用するため、より深部まで浸透し、効果も高くなります。
自宅でのケアは、サロンでの髪質改善の効果を維持・延長するための補助と考えるのが良いでしょう。
髪質改善とカラーはどちらを先にするべきですか?
基本的には、カラーリングを先に行い、その後に髪質改善を行うのがおすすめです。
カラーリングはキューティクルを開く作用があるため、髪質改善で閉じたキューティクルを再び開くことになり、効果が半減してしまう可能性があります。
ただし、髪の状態が非常に悪い場合は、まず髪質改善で髪の土台を整えてから、1週間後以降にカラーリングを行う方法もあります。
ブリーチ毛でもパーマはかけられますか?
ブリーチ毛にパーマをかけることは可能ですが、髪へのダメージが大きくなるリスクがあります。
ブリーチ毛にパーマをかける場合は、事前に髪質改善を行って髪の状態を整えておくことをおすすめします。また、通常よりも弱い薬剤を使用し、短時間で処理する必要があります。
ブリーチ3回以上の髪には、通常のパーマではなく「デジタルパーマ」や「エアウェーブ」など、比較的ダメージの少ないパーマ方法を選ぶと良いでしょう。
まとめ:ブリーチ毛でも諦めないで!
ブリーチ毛の髪質改善について、詳しくお伝えしてきました。ポイントをまとめると:
- ブリーチ毛でも髪質改善は可能だが、効果や持続期間に限界がある
- 酸性ベースの髪質改善トリートメントがブリーチ毛には効果的
- 髪質改善と縮毛矯正は目的が異なるため、自分の悩みに合わせて選ぶ
- ブリーチ毛は適切なホームケアが特に重要
- 定期的なメンテナンスで美しい髪を維持できる
ブリーチによるダメージは確かに大きいですが、適切なケアと施術で見違えるほど美しくなることができます。
「ブリーチしたら髪が傷んで元に戻らない...」と諦めていた方も、ぜひ一度専門の美容師に相談してみてください。
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