こんにちは。髪質改善個室サロンECLART(エクラート)の美容師です。美容師歴15年、髪質改善サロンでの施術経験を活かし、年間1,000人以上のくせ毛・うねり毛に悩むお客様の髪質改善を成功に導いてきました。
最近、「酸性ストレート」という言葉をよく耳にするようになりましたね。SNSやメディアでも話題になっていますが、実際どんな施術なのか、従来の縮毛矯正と何が違うのか、わからない方も多いのではないでしょうか。
今回は、酸性ストレートについて美容師の視点から詳しく解説します。この記事を読めば、酸性ストレートの仕組みや効果、メリット・デメリット、そして自分の髪質に合っているかどうかがわかるようになりますよ。
酸性ストレートとは?基本知識と仕組み
酸性ストレートとは、髪に近い弱酸性の薬剤を使用して行うストレートパーマのことです。従来の縮毛矯正やストレートパーマはアルカリ性の薬剤を使用するのに対し、酸性ストレートは名前の通り「酸性領域」で施術を行います。
健康な髪の毛は弱酸性(pH4.5〜5.5程度)です。髪は反対のアルカリ性に傾くとキューティクルが開く仕組みになっています。
この習性を利用して、従来のパーマやカラーはアルカリ性の薬剤を使用し、キューティクルを開いて薬剤を内部に浸透させています。しかし、キューティクルが開くことで内部の栄養分や水分も抜けてしまい、髪がダメージを受けやすくなるというデメリットがありました。
一方、酸性ストレートは髪と同じ弱酸性で作られており、キューティクルを大きく開かなくても薬剤を浸透させることができます。そのため、髪への負担が少なく、ダメージを抑えながらクセを伸ばすことが可能なのです。
酸性ストレートの分類と種類
酸性ストレートは大きく分けて3つのタイプに分類されます。
1. 用時調製タイプ:MTやスピエラといったエステル系を混ぜて使用するタイプです。自分で還元剤の濃度を設定できるため、髪質やクセの強さに合わせた調整が可能です。ただし、調製の計算が難しく、アイロン操作も水抜きが必要なため技術的難易度が高いです。
2. 非用時調製タイプA:主にアルカリで使用している還元剤を配合したタイプです。ハイダメージ毛に対してシンプルに薬剤選択できる利点がありますが、用時調製系に比べると還元力の調整が難しいです。
3. 非用時調製タイプB:チオグリコール酸システアミンなど、酸性でも働く還元剤を配合したタイプです。健康毛からハイダメージ毛まで幅広く対応でき、薬剤を混ぜることでクセをしっかり伸ばせます。アルカリストレートと同じ感覚でアイロン操作ができるのも特徴です。
酸性ストレートと従来の縮毛矯正の違い
酸性ストレートと従来の縮毛矯正(アルカリストレート)には、いくつかの重要な違いがあります。

pHの違いによる髪への影響
最も大きな違いは、使用する薬剤のpH値です。従来の縮毛矯正で使われるアルカリ性の薬剤はpH9前後であるのに対し、酸性ストレートの薬剤はpH4〜6.5程度の弱酸性〜中性領域で施術を行います。
アルカリ性の薬剤はキューティクルを大きく開くため、髪内部のタンパク質が流出しやすく、ダメージが大きくなります。一方、酸性ストレートはキューティクルの開きを最小限に抑えるため、髪内部の栄養素を守りながら施術できるのです。
仕上がりの質感の違い
従来の縮毛矯正は、強い薬剤でしっかりとクセを伸ばすため、真っ直ぐになりすぎて不自然な印象になることがありました。また、髪がパサついたり、硬い質感になりがちです。
酸性ストレートは、髪に優しい薬剤を使用するため、柔らかく自然な仕上がりになります。ツヤ感があり、動きのある美しいヘアスタイルを実現できるのが特徴です。
施術可能な髪質の範囲
従来の縮毛矯正は、ブリーチ毛や過度にダメージした髪には施術できないことが多くありました。薬剤が強すぎて、髪が切れてしまう危険性があるためです。
酸性ストレートは髪への負担が少ないため、従来では施術が難しかったブリーチ毛や傷んだ髪にも対応できることが多いです。ただし、極度のダメージ毛(ポーラス毛)は施術対象外となる場合もあります。
酸性ストレートの効果とメリット
酸性ストレートには、従来の縮毛矯正にはない様々なメリットがあります。具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。
髪へのダメージが少ない
酸性ストレートの最大のメリットは、髪へのダメージが少ないことです。髪と同じ弱酸性〜中性領域で施術するため、キューティクルを大きく開かずに済み、髪内部の栄養素が流出するのを防ぎます。
そのため、施術後も髪のハリやコシが残り、パサつきにくい健康的な髪を維持できます。カラーリングとの併用も比較的安全に行えることが多いです。
自然な仕上がりと柔らかな質感
従来の縮毛矯正は、髪が真っ直ぐになりすぎて不自然な印象になることがありましたが、酸性ストレートは必要以上の結合を切らずに施術するため、自然な柔らかさを保ちながらクセを伸ばすことができます。
髪に自然な動きが残るため、スタイリングのバリエーションも広がります。また、ツヤ感も出やすく、見た目にも美しい仕上がりになるのが特徴です。
ブリーチ毛やダメージ毛にも対応可能
酸性ストレートは髪への負担が少ないため、従来の縮毛矯正では施術が難しかったブリーチ毛や傷んだ髪にも対応できることが多いです。
カラーリングやパーマなどの化学処理を繰り返した髪でも、状態を見極めながら施術することで、クセを抑えつつ髪の健康状態を維持することが可能です。
持続性と経時変化
酸性ストレートは、従来の縮毛矯正と比べると持続性はやや劣る場合もありますが、それでも3〜6ヶ月程度の効果が期待できます。また、時間が経っても不自然な根元の生え際との境目が目立ちにくく、自然に馴染むのもメリットです。
さらに、従来の縮毛矯正のように時間が経つと髪がパサついてくるということも少なく、美しい状態を長く保つことができます。
酸性ストレートのデメリットと注意点
酸性ストレートには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。施術を検討する前に、これらの点もしっかり理解しておきましょう。
施術時間が長い
酸性ストレートは、薬剤が優しい分、浸透に時間がかかります。1液(軟化剤)の放置時間は通常20〜30分程度ですが、クセが強い場合は1時間近く放置することもあります。
また、薬剤だけでなくアイロン施術も丁寧に行う必要があるため、全体の施術時間は4時間前後かかることも珍しくありません。時間に余裕を持って予約することをおすすめします。
クセの強さによっては完全に伸びないことも
酸性ストレートは髪に優しい分、強いクセに対しては完全に伸ばしきれない場合があります。特に、縮毛の方や強いうねりがある方は、100%真っ直ぐにはならないことを理解しておく必要があります。
クセを完全に伸ばしたい場合は、従来のアルカリ性の縮毛矯正の方が効果的なこともあります。髪の状態とご希望のスタイルに合わせて、適切な施術を選ぶことが大切です。
料金が高めに設定されている
酸性ストレートは、使用する薬剤が高品質で髪に優しい成分を含んでいることや、施術時間が長いことから、従来の縮毛矯正よりも料金が高く設定されていることが多いです。
一般的に、酸性ストレートの料金は11,000円〜22,000円程度が相場ですが、サロンや髪の長さによって異なります。費用対効果を考慮して検討することをおすすめします。
施術者の技術によって仕上がりに差が出る
酸性ストレートは、薬剤の調合やアイロン操作など、施術者の技術によって仕上がりに大きな差が出ます。特に、髪質やダメージ度合いを見極め、適切な薬剤を選定する知識と経験が重要です。
信頼できる美容師やサロンを選ぶことが、満足のいく仕上がりを得るための鍵となります。実績や口コミをチェックし、酸性ストレートの施術経験が豊富なサロンを選びましょう。
酸性ストレートが向いている人・向いていない人
酸性ストレートは万能な施術ではありません。ご自身の髪質や希望する仕上がりによって、向き不向きがあります。ここでは、酸性ストレートが向いている人と向いていない人の特徴をご紹介します。
酸性ストレートが向いている人
1. 自然な仕上がりを希望する方:硬い質感ではなく、柔らかく自然なストレートヘアを希望する方に適しています。
2. ダメージ毛やカラー毛の方:ブリーチやカラーリングで傷んだ髪でも、状態によっては施術可能です。髪の健康状態を維持しながらクセを抑えたい方におすすめです。
3. 軽度〜中程度のクセやうねりがある方:強すぎないクセやうねりを自然に伸ばしたい方に適しています。
4. 髪の毛のダメージが気になる方:従来の縮毛矯正でダメージを感じていた方は、酸性ストレートで髪への負担を軽減できます。
酸性ストレートが向いていない人
1. 強いクセやうねりを完全に伸ばしたい方:強いクセを100%伸ばしたい場合は、従来のアルカリ性縮毛矯正の方が効果的かもしれません。
2. 極度のダメージ毛(ポーラス毛)の方:髪が引っ張るとすぐに切れてしまうような極度のダメージ毛は、酸性ストレートでも施術が難しい場合があります。
3. 時間をかけられない方:施術時間が長いため、時間に余裕がない方には不向きです。
4. コスト重視の方:従来の縮毛矯正よりも料金が高い傾向があるため、コストを重視する方には不向きかもしれません。
酸性ストレートと酸熱トリートメントの違い
「酸性ストレート」と「酸熱トリートメント」は名前が似ているため混同されがちですが、全く別の施術です。両者の違いを正しく理解しましょう。
目的と効果の違い
酸性ストレートは「縮毛矯正」の一種で、くせ毛を伸ばすことが主な目的です。髪の内部構造にある3つの結合(シスチン結合・イオン結合・水素結合)を薬剤で一度切り、アイロンで真っ直ぐに形作った後、再結合させることでクセを伸ばします。
一方、酸熱トリートメントは「トリートメント」の一種で、ダメージケアが主な目的です。髪内部にイミン結合を作り出すことで補強し、まとまりを出します。くせ毛を根本的に伸ばす効果はありません。
持続性の違い
酸性ストレートは縮毛矯正の一種であるため、効果は半永久的です。新しい髪が生えてくるまで、施術した部分のクセは戻りません。一般的に3〜6ヶ月程度の効果が持続します。
酸熱トリートメントは一時的な効果で、通常1〜2ヶ月程度で徐々に効果が薄れていきます。定期的なメンテナンスが必要です。
施術方法の違い
酸性ストレートは、1液(還元剤)を塗布して放置し、髪内部の結合を切った後、アイロンでクセを伸ばし、2液(酸化剤)で再結合させる工程を経ます。
酸熱トリートメントは、酸性のトリートメント剤を塗布し、アイロンの熱を加えることでトリートメント成分を髪内部に定着させます。還元剤は使用しないため、髪の内部構造を変化させることはありません。
酸性ストレートの施術の流れと注意点
酸性ストレートの施術は、従来の縮毛矯正と似た流れで行われますが、薬剤の特性や使用方法に違いがあります。ここでは、一般的な酸性ストレートの施術の流れと、施術前後の注意点をご紹介します。
施術の基本的な流れ
1. カウンセリング・毛髪診断:髪質、クセの強さ、ダメージ度合いなどを確認し、最適な薬剤を選定します。
2. シャンプー:余分な皮脂や汚れを落とし、薬剤が均一に浸透するようにします。
3. 1液(還元剤)塗布:髪質やダメージに合わせた1液を塗布します。酸性ストレートでは、髪の状態に応じて部位ごとに異なる薬剤を使い分けることもあります。
4. 放置:20〜30分程度(クセの強さやダメージによって調整)放置し、薬剤を浸透させます。
5. 中間水洗:1液をしっかりと洗い流します。
6. アイロン処理:髪を小分けにして、丁寧にアイロンを入れていきます。酸性ストレートでは、水分を残したまま「水抜きアイロン」を行うことが多いです。
7. 2液(酸化剤)塗布:アイロンで形を整えた後、2液を塗布して髪内部の結合を再構築します。
8. 放置・水洗:指定の時間放置した後、しっかりと洗い流します。
9. 仕上げ:トリートメントを行い、ドライヤーやアイロンで仕上げます。
施術前の注意点
1. 施術前のシャンプー:施術当日は自宅でシャンプーをせず、なるべく自然な状態で来店することをおすすめします。頭皮の状態や髪質を正確に判断するためです。
2. 施術前のカラーリング:酸性ストレートとカラーリングを同日に行う場合は、通常カラーリングを先に行います。ただし、サロンによって順序が異なる場合もありますので、事前に確認しましょう。
3. 体調管理:頭皮の状態が良くない時や体調不良の時は、施術を延期することをおすすめします。
施術後のホームケア
1. 施術後のシャンプー:施術後24〜48時間は髪を洗わないことをおすすめします。薬剤の定着を促進するためです。
2. ヘアスタイル:施術後数日間は、髪を結んだり、ヘアピンで留めたりすることを避けましょう。髪に跡がついてしまう可能性があります。
3. アフターケア:酸性ストレート後は、保湿効果の高いシャンプー・トリートメントを使用し、定期的なホームケアを行うことで、美しい状態を長く保つことができます。
まとめ:酸性ストレートで理想の髪質へ
酸性ストレートは、従来の縮毛矯正と比べて髪へのダメージが少なく、自然な仕上がりが期待できる施術です。髪と同じ弱酸性〜中性領域で施術するため、髪内部の栄養素を守りながらクセを伸ばすことができます。
特に、自然な仕上がりを希望する方や、ダメージが気になる方、ブリーチやカラーリングで傷んだ髪の方におすすめです。ただし、強いクセを完全に伸ばしたい場合や、極度のダメージ毛の方には不向きな場合もあります。
酸性ストレートを検討する際は、信頼できる美容師やサロンを選ぶことが重要です。髪質やダメージ度合い、希望するスタイルに合わせて、最適な施術を提案してくれるサロンを選びましょう。
当サロンECLART(エクラート)では、お客様一人ひとりの髪質や希望に合わせた酸性ストレートを提供しています。全席個室を完備しておりますので、リラックスできるプライベート空間で、美しい髪を手に入れませんか?

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