ハイライトと縮毛矯正の同時施術は可能なの?
「ハイライトを入れたいけど、クセ毛も気になる…」
「縮毛矯正とハイライトを同日に施術できるのかな?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。髪質改善専門の美容師として15年のキャリアを持つ私が、この疑問にお答えします。
結論からお伝えすると、ハイライトと縮毛矯正の同時施術は可能です。ただし、施術方法や順番、髪の状態によって注意点があります。

この記事では、ハイライトと縮毛矯正の同時施術について、メリットやデメリット、失敗しないための方法、そして理想の髪質を手に入れるためのポイントを詳しく解説します。
特に髪へのダメージが気になる方や、初めての施術を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
ハイライトと縮毛矯正の基本と特徴
まずは、それぞれの施術について基本的な理解を深めましょう。
ハイライトとは
ハイライトとは、髪を部分的に明るくするデザインカラーのことです。ブリーチやライトナーを使用して、ベースの髪より少し明るいスジ状のデザインを細かく入れていきます。
ベースカラーとハイライトカラーの明るさの違いによって陰影ができ、髪に立体感が生まれるのが特徴です。
ハイライトのメリットは主に3つあります。
- 髪に立体感が出る
- 色の表現幅が広がる
- 白髪がある場合は白髪ぼかしの効果も期待できる
特に猫っ毛で髪がぺたんこになりやすい方でも、ハイライトを入れることでふんわりとしたシルエットに見せることができます。また、動きやエアリー感を表現できるので、巻き髪との相性も抜群です。
縮毛矯正とは
縮毛矯正は、クセ毛を薬剤とアイロンの力で伸ばし、まっすぐにする施術です。
具体的には、毛髪内の結合を薬剤の力で一度切ってから、アイロンでクセを伸ばします。クセを人工的に矯正した後、再び毛髪内で結合させる仕組みです。
生まれつきのクセ毛や縮毛で悩んでいる方に特におすすめの施術となります。
ハイライトと縮毛矯正の同時施術が難しい理由
ハイライトと縮毛矯正は同時に施術することができますが、いくつかの難しさがあります。
同時施術を避けた方がよい理由は主に2つあります。
施術時間がかかる
縮毛矯正とハイライトはどちらも時間のかかる施術です。それぞれの施術にかかる時間の目安は以下のとおりです。
- 縮毛矯正:約2〜3時間
- ハイライト:約1〜2時間
- その他カットやスタイリング:約1時間
これらを合わせると、最短でも4時間、場合によっては6時間以上かかることもあります。
実際には個人の髪の長さや髪質、希望するスタイル、使用する薬剤の種類などによって、施術時間は大きく変わります。時間に余裕のあるときでないと、そもそも予約ができない可能性もあるでしょう。
髪や頭皮へのダメージが大きくなる
縮毛矯正とハイライトを同時に行うと、髪や頭皮へのダメージが大きくなってしまいます。
縮毛矯正でもハイライトでも髪の内部構造を変化させ、キューティクルを損傷するので、髪は傷んでしまいます。それらを同時に行うと、傷つきやすい状態のところに次の施術で追い打ちをかけることになります。
特に「医薬部外品」のパーマ剤やカラー剤を使う場合、全日本美容業生活衛生同業組合連合会(美容連合会)や日本パーマネントウェーブ液工業組合(JPWIA)が同時施術をしないよう自主規制を設けています。
なるべくダメージを少なくするため、縮毛矯正とハイライトは別日に行うことをおすすめします。
縮毛矯正とハイライトの理想的な施術順序
縮毛矯正とハイライトを両立したいなら、順番が重要です。
縮毛矯正→ハイライトの順番がおすすめ
縮毛矯正とハイライトを両立したいなら、縮毛矯正→ハイライトの順番に施術するのがおすすめです。
ハイライトカラーのあとで縮毛矯正をすると、せっかくのハイライトが色落ちしてしまう可能性があります。
縮毛矯正にはキューティクルを開く工程があります。せっかくハイライトで色素を入れこんでも、縮毛矯正によってキューティクルを開くことで流れ出てしまうのです。
縮毛矯正→ハイライトの順番なら互いに影響が少なく、理想のスタイルに仕上げることができますよ。
施術の間隔はどれくらい空けるべき?
縮毛矯正した髪にハイライトを入れるなら、3日以上間隔をあけるのがおすすめです。
縮毛矯正によって髪はどうしても傷んでしまいます。髪や頭皮を落ち着かせる時間として、3日を目安に間隔をあけましょう。
どうしても縮毛矯正とハイライトを同じ日にやってもらいたい場合は、まずは行きつけの美容院で相談するのがよいでしょう。
ハイライトと縮毛矯正の同時施術を成功させるポイント
同時施術を希望する場合、以下のポイントを押さえることで、ダメージを最小限に抑えながら理想の髪質を手に入れることができます。
髪の状態を正確に伝える
施術前のカウンセリングでは、過去の施術履歴や現在の髪の状態を正確に伝えることが大切です。
- 過去に行った縮毛矯正やカラーリングの時期
- 使用しているヘアケア製品
- 普段のスタイリング方法
- 気になる髪の悩み
特に「半年以内にグリオキシル酸を使った酸熱トリートメントをしている場合、クセが伸びない可能性がある」という点は重要です。
グリオキシル酸/酸熱をするとクセが伸びないのは、キューティクルが過収斂されつつグリオキシル酸のもつ架橋効果もあるため、それらが「還元作用のジャマ」をしてしまうからです。
信頼できる美容師を選ぶ
ハイライトと縮毛矯正の同時施術は高度な技術が必要です。経験豊富な美容師に施術してもらうことで、失敗のリスクを減らすことができます。
特にブリーチを含むハイライトと縮毛矯正の組み合わせは、髪質や状態によって適切な薬剤や施術方法が異なります。髪質改善や縮毛矯正を得意とするサロンを選ぶことをおすすめします。
適切な薬剤選択
髪の状態に合わせた薬剤選択が重要です。特に縮毛矯正では、髪のダメージ具合によって薬剤の強さを調整する必要があります。
例えば、ハイライトが入っている部分には弱い薬剤を使用したり、酸性縮毛矯正を選択したりするなど、髪へのダメージを最小限に抑える工夫が必要です。
酸性縮毛矯正は、通常の縮毛矯正よりもダメージが少なく、デリケートな髪の状態に適しています。
ハイライトと縮毛矯正の組み合わせで実現できるヘアスタイル
ハイライトと縮毛矯正を組み合わせることで、様々な魅力的なヘアスタイルを実現できます。
ナチュラルストレートに立体感をプラス
縮毛矯正でまっすぐになった髪に、控えめなハイライトを入れることで、自然な立体感と動きを出すことができます。特に黒髪や暗めのブラウンヘアに、同系色で明るさの異なるハイライトを入れると、上品で洗練された印象になります。
このスタイルは、オフィスでも浮かない上品さがありながら、普段のスタイリングも簡単なので、忙しい方にもおすすめです。
ハイライトで作る立体ロング
縮毛矯正でまとまりのある美しいロングヘアに、フェイスラインや毛先を中心にハイライトを入れることで、重さを感じさせない軽やかなロングヘアに仕上がります。
特に顔周りにハイライトを入れることで、顔色が明るく見える効果も期待できます。また、毛先のハイライトは巻き髪との相性も抜群で、立体感のある華やかなスタイルを楽しめます。
インナーカラーとの組み合わせ
縮毛矯正で全体をまっすぐにしつつ、耳周りや内側の髪にハイライトやインナーカラーを入れるスタイルも人気です。普段は控えめに見せつつ、髪をまとめたときや風が吹いたときにチラッと見える色味が、おしゃれな印象を与えます。
インナーカラーの場合、ブリーチしてある部分と、そうでない部分がはっきりと分かれているため、薬剤を塗り分けることで、それぞれの部分に最適な施術が可能です。
施術後のヘアケア方法
ハイライトと縮毛矯正を施した髪は、適切なアフターケアが重要です。
シャンプー・トリートメント
施術後は、アミノ酸系のシャンプーなど、刺激の少ないものを選びましょう。また、週に1〜2回は集中トリートメントを行うことで、髪の潤いを保つことができます。
特に縮毛矯正後は、キューティクルが開きやすい状態なので、保湿ケアが重要です。また、ハイライトを入れた部分は通常よりも色落ちしやすいため、カラーケア用のシャンプー・トリートメントを使用するのもおすすめです。

ヒートプロテクトの使用
ドライヤーやヘアアイロンを使用する際は、必ずヒートプロテクト剤を使用しましょう。熱によるダメージから髪を守り、施術効果を長持ちさせることができます。
特にハイライトを入れた髪は、熱に弱くなっているため、ヒートプロテクト剤の使用は必須です。
定期的なメンテナンス
縮毛矯正は通常、新しく伸びてきた根元部分のみを3〜4ヶ月ごとに施術します。ハイライトも同様に、色味や明るさの調整を定期的に行うことで、美しい状態を維持できます。
サロンでのメンテナンスに加えて、自宅でのケアも重要です。美容師に自分の髪質に合ったホームケア方法を相談しておくと良いでしょう。
まとめ:理想の髪質を手に入れるために
ハイライトと縮毛矯正の同時施術は、正しい知識と適切な施術方法を選ぶことで、理想の髪質を手に入れることができます。
ポイントをまとめると:
- 同時施術は可能だが、別日に分けるのが理想的
- 施術順序は「縮毛矯正→ハイライト」が推奨
- 施術間隔は最低3日以上空けるのが安全
- 髪の状態を正確に伝え、信頼できる美容師を選ぶ
- 施術後は適切なアフターケアが重要
髪質改善専門の美容師として、お客様一人ひとりの髪質や希望に合わせた施術をご提案しています。特にハイライトと縮毛矯正の組み合わせは、高度な技術と経験が必要な施術です。
理想の髪質を手に入れるためには、髪の状態を正確に把握し、適切な施術方法を選ぶことが大切です。ぜひ、髪質改善に特化したサロンで、あなたの髪質に合った施術をご相談ください。
美しい髪は、適切な施術と日々のケアから生まれます。あなたも理想の髪質を手に入れて、毎日のヘアスタイリングを楽しんでくださいね。
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