ブリーチ毛にも効く髪質改善~プロが教える復活術
ブリーチは鮮やかなカラーを楽しめる反面、髪へのダメージが気になるところです。特に何度もブリーチを繰り返すと、パサパサ、広がる、切れやすいなどの悩みが出てきます。
美容師として15年、年間1,000人以上のお客様の髪質改善を手がけてきた経験から、ブリーチ毛でも諦めないでほしいという思いを込めて、今回は「ブリーチ毛の髪質改善」について詳しくご紹介します。
ブリーチによるダメージを受けた髪でも、正しいケア方法と適切な施術で、驚くほど美しい髪を取り戻すことができるんです。
ブリーチ毛の特徴とダメージの仕組み
まずはブリーチが髪に与える影響について理解しましょう。ブリーチとは脱色剤のことで、髪の内部にあるメラニン色素を分解して髪を明るくする薬剤です。
ブリーチは髪に大きな変化をもたらします。具体的には以下のような特徴があります。
1. キューティクルの損傷
ブリーチ剤に含まれるアルカリ剤によって、髪の表面を守るキューティクルが開き、傷ついてしまいます。キューティクルが損傷すると、髪の内部の水分や栄養が逃げやすくなり、パサつきの原因になります。
これは髪の毛を鱗のような層で覆っている保護膜が剥がれ落ちたような状態です。この状態になると外部からの刺激にも弱くなってしまいます。
2. タンパク質と脂質の流出
ブリーチすると髪の内部にあるタンパク質(アミノ酸)や脂質が大量に流出します。これらは髪の強度や弾力、しなやかさを保つ重要な成分です。
髪の内部がスカスカになることで、髪が絡まりやすくなったり、コシがなくなったりします。まるでスポンジのように水分を吸収しては放出する状態になるのです。
3. 髪の内部構造の変化
ブリーチによって髪の内部構造も変化します。髪の強度を保つシスチン結合が切れてしまい、髪が弱くなります。
この状態では、少しの摩擦でも髪が切れやすくなり、ブラッシングやスタイリングの際に注意が必要です。特に濡れた状態の髪は非常に弱いので、優しく扱うことが大切です。
ブリーチ毛に効果的な自宅ケア方法
ブリーチ毛は特別なケアが必要です。サロンでの施術だけでなく、日々の自宅ケアも重要なポイントになります。
正しいケア方法を知ることで、ブリーチ毛でも美しい髪を維持することができますよ。
1. シャンプー選びのポイント
ブリーチ毛には洗浄力の強いシャンプーは避け、アミノ酸系のシャンプーを選びましょう。アミノ酸はタンパク質の主な原料で、髪を構成する成分と同じ性質を持っています。
髪に優しく洗い上げながら、必要な栄養分を補給してくれます。また、シャンプーの際はお湯の温度にも注意が必要です。38度程度のぬるま湯で洗うと、必要な皮脂まで落としすぎず、頭皮と髪に優しく洗えます。
「少しぬるいかな?」と感じる温度が理想的です。熱すぎるお湯は髪の水分や油分を奪ってしまうので避けましょう。
2. トリートメントの使い方
ブリーチ毛には「洗い流すトリートメント」と「洗い流さないトリートメント」の両方を使うのがおすすめです。
洗い流すトリートメントは、シャンプー後に髪全体につけ、数分間放置します。このとき、目の荒いクシで優しく髪をとかすと、トリートメントが均一に行き渡ります。
洗い流さないトリートメントは、タオルドライ後の髪に使用します。毛先から中間、内側、前髪の順につけていくと、効果的に髪を保護できます。特にブリーチ毛は乾燥しやすいので、保湿成分が豊富なものを選びましょう。
3. ヘアオイルの活用
ヘアオイルはブリーチ毛の強い味方です。髪の乾燥を防ぎ、指通りを良くしてくれます。
使用する際は、まず手のひらで温めてから、毛先→中間→内側(襟足など)→前髪の順につけていきます。特に毛先は傷みやすいので、重点的にケアしましょう。
オイルをつけすぎると重たく見えることがあるので、最初は少量から始めて、髪の状態を見ながら調整するのがコツです。
サロンでできるブリーチ毛の髪質改善
自宅ケアに加えて、プロの技術を活用することで、ブリーチ毛の状態をさらに改善することができます。
最近では技術の進化により、ブリーチ毛でも効果的な髪質改善メニューが増えています。
1. 髪質改善トリートメント
髪質改善トリートメントは、ブリーチによって失われた髪の栄養分を補給し、内部から補修する施術です。
通常のトリートメントよりも浸透力が高く、髪の内部まで栄養分が届くため、ブリーチ毛の改善に効果的です。特にタンパク質(ケラチン)やアミノ酸、脂質などを補給するトリートメントがおすすめです。
施術時間は1〜2時間程度で、効果は2〜4週間持続します。定期的に受けることで、徐々に髪の状態が改善されていきます。
2. 酸熱トリートメント
酸熱トリートメントは、酸性の薬剤と熱を組み合わせて髪を補修する方法です。
ブリーチによってアルカリ性に傾いた髪を酸性に戻し、熱を加えることで栄養分を定着させます。髪の内部構造を修復し、艶やかでまとまりのある髪に導きます。
ブリーチ毛でも安心して受けられる施術で、1回の施術でも効果を実感できることが多いです。特に広がりやパサつきが気になる方におすすめです。
3. 水素トリートメント
最新の技術として注目されているのが水素トリートメントです。水素の還元力を利用して、ブリーチによって酸化した髪を修復します。
水素は分子が小さいため髪の内部まで浸透しやすく、ダメージの深部から改善することができます。施術後は髪のツヤが増し、手触りが格段に良くなります。
どんな髪質の方でも施術可能で、カラーや縮毛矯正と同時に行うこともできるのが魅力です。
ブリーチ毛と縮毛矯正の関係
「ブリーチ毛に縮毛矯正はかけられない」と言われることがありますが、実際はどうなのでしょうか?
髪の状態によっては可能な場合もありますが、注意点もあります。
1. ブリーチ毛に縮毛矯正は可能か
結論から言うと、ブリーチの度合いや髪の状態によって異なります。
髪を濡らした時の弾力が残っていれば、専門知識を持った美容師による「酸性縮毛矯正」なら施術可能な場合があります。酸性縮毛矯正は、通常の縮毛矯正よりも髪へのダメージが少なく、ブリーチ毛にも対応できる技術です。
ただし、2回以上ブリーチをしている場合や、髪の状態が極度に悪い場合は、美容師の判断で施術をお断りすることもあります。これは髪を守るための大切な判断なので、ご理解ください。
2. 事前カウンセリングの重要性
ブリーチ毛に縮毛矯正を検討している場合は、必ず事前のカウンセリングを受けましょう。
髪の状態を直接見て、触って確認することで、施術が可能かどうか、どのような方法が最適かを判断できます。電話やメールでの事前相談も有効です。
どうしても縮毛矯正をかけたい場合は、ブリーチ毛に対応できる技術と経験を持った美容師を選ぶことが重要です。
3. 代替案の検討
縮毛矯正が難しい場合は、髪質改善トリートメントや酸熱トリートメントなど、ダメージの少ない方法でまとまりを出す方法もあります。
これらの施術は縮毛矯正ほどのストレート効果はありませんが、髪の内部補修と同時に扱いやすさを向上させることができます。
髪の状態を見極めながら、最適な方法を美容師と相談して決めましょう。
ブリーチ毛の日常生活での注意点
ブリーチ毛を美しく保つためには、日常生活でのケアも重要です。
ちょっとした心がけで、髪の傷みを最小限に抑えることができます。
1. 熱ダメージからの保護
ブリーチ毛はドライヤーやヘアアイロンなどの熱ダメージに特に弱いです。
ヘアアイロンやコテを使う前には必ずヒートプロテクト剤を使用しましょう。また、ドライヤーは髪から10〜15cm離し、熱を集中させないように動かしながら使うのがポイントです。
可能であれば、週に1〜2日は熱を使わない日を作り、髪を休ませてあげることも大切です。
2. 紫外線対策
ブリーチ毛は紫外線の影響を受けやすく、日焼けによって色が変わったり、さらに傷んだりすることがあります。
外出時は帽子やUVカット効果のあるヘアミストを活用しましょう。特に夏場は紫外線が強いので、髪の保護を意識することが重要です。
日焼け止めを顔に塗るように、髪にも紫外線対策をする習慣をつけると良いでしょう。
3. 摩擦ダメージの軽減
ブリーチ毛は摩擦にも弱いです。タオルで強く擦ったり、きつく結んだり、強くブラッシングしたりすることで傷みが進行します。
髪を洗った後は、タオルで押さえるように水分を取り、濡れた状態でのブラッシングは避けましょう。また、寝る時はシルクやサテンの枕カバーを使うと、摩擦が減って髪の傷みを防げます。
ヘアゴムは締め付けの少ないものを選び、同じ位置で結ぶことを避けると良いでしょう。
ブリーチ毛の色持ちを良くする方法
せっかくブリーチして理想の髪色を手に入れても、色落ちが早いと残念ですよね。
ブリーチ毛の色持ちを良くするためのポイントをご紹介します。
1. カラーシャンプーの活用
カラーシャンプーは通常のシャンプーと異なり、染料が含まれているため、ヘアカラーの色持ちを良くする効果があります。
ブリーチ後の髪色に合わせたカラーシャンプーを選び、週に2〜3回使用することで、色の退色を防ぎ、鮮やかな髪色を長く楽しむことができます。
ただし、使いすぎると髪が乾燥する場合があるので、通常のシャンプーと交互に使うのがおすすめです。
2. 洗髪頻度と水質の管理
毎日シャンプーすると色落ちが早くなります。可能であれば、2〜3日に1回の洗髪に減らすか、ドライシャンプーを活用して洗髪回数を調整しましょう。
また、水道水に含まれる塩素や金属イオンも色落ちの原因になります。シャワーヘッドに浄水フィルターをつけるか、最後にミネラルウォーターですすぐという方法も効果的です。
お風呂に入る際は、最初に髪を濡らさず、体を洗い終わってから髪を洗うと、お湯に長時間さらされることを防げます。
3. 定期的なカラーメンテナンス
ブリーチ毛は定期的なカラーメンテナンスが重要です。根元が伸びてきたら、その部分だけを染める「リタッチ」を行うことで、全体を何度もブリーチする必要がなくなります。
また、色が褪せてきたら、ダメージの少ないカラートリートメントで色味を補充するのも効果的です。
サロンでのカラーリングの間隔は、髪の伸びる速さや色の褪せ具合にもよりますが、4〜6週間が目安です。
ブリーチ毛におすすめのスタイリング方法
ブリーチ毛は通常の髪と違った扱い方が必要です。ダメージを最小限に抑えながら、素敵なスタイリングを楽しみましょう。
ブリーチ毛だからこそ映えるスタイリング方法をご紹介します。
1. ノンヒートスタイリング
ブリーチ毛は熱に弱いため、ヒートスタイリングを減らすことが大切です。ノンヒートスタイリングの方法をマスターしましょう。
例えば、髪が濡れているうちに編み込みをして乾かすと、熱を使わずに波ウェーブを作ることができます。また、柔らかいカーラーを使って寝る方法も効果的です。
ヘアバンドを使って前髪をセットしたり、ねじってピンで留めるだけでも、簡単にアレンジができます。
2. 低温スタイリング
どうしても熱を使ったスタイリングをしたい場合は、低温設定を活用しましょう。
最近のヘアアイロンやドライヤーには温度調節機能が付いているものが多いので、ブリーチ毛には低温〜中温設定を使用します。また、一か所に熱を当て続けず、素早く動かすことも重要です。
ヒートプロテクト剤は必ず使用し、熱による追加ダメージを最小限に抑えましょう。
3. ブリーチ毛に合うスタイリング剤
ブリーチ毛には、保湿効果のあるスタイリング剤がおすすめです。
オイルベースのスタイリング剤は、スタイリングしながら髪に潤いを与えてくれます。また、軽いつけ心地のミルクタイプやクリームタイプも、重たくならずに扱いやすいでしょう。
ハードなスプレーやワックスは避け、髪に優しい成分で作られたものを選ぶことが大切です。
まとめ:ブリーチ毛でも諦めない!美しい髪を取り戻す方法
ブリーチによるダメージは確かに深刻ですが、正しいケアと適切な施術で、美しい髪を取り戻すことは可能です。
今回ご紹介した方法をぜひ試してみてください。
ポイントのおさらい
・ブリーチ毛には、アミノ酸系シャンプーと保湿力の高いトリートメントを使用する
・サロンでの髪質改善トリートメントや酸熱トリートメントを定期的に受ける
・熱ダメージや紫外線、摩擦から髪を守る日常習慣を身につける
・カラーシャンプーや洗髪頻度の調整で色持ちを良くする
・ノンヒートスタイリングや低温スタイリングを心がける
ブリーチ毛のケアは一朝一夕にはいきませんが、継続することで確実に髪の状態は改善していきます。
「ブリーチしたら髪が傷むのは仕方ない」と諦めるのではなく、積極的にケアを行って、理想の髪色と健康的な髪質の両方を手に入れましょう。
もし髪質改善について詳しく知りたい方は、ぜひ専門のサロンでカウンセリングを受けてみてください。あなたの髪質に合ったケア方法や施術を提案してもらえます。
美しい髪は自信につながります。ブリーチ毛でも諦めず、理想の髪を目指しましょう!
髪質改善のプロフェッショナルとして、皆さんの髪の悩みが解決されることを願っています。
詳しい髪質改善メニューについては、髪質改善個室サロンECLARTにお問い合わせください。全席個室の贅沢な空間で、あなただけの髪質改善プランをご提案いたします。
